
「精液検査では問題なしと言われたのに、なかなか妊娠につながらない…」
近年、その背景のひとつとして注目されているのが、“精子DNA断片化(SDF)”です。
これは、精子のDNAが損傷している状態を指し、通常の精液検査(精子数・運動率・奇形率など)では分からない“精子の質”の問題です。
今回紹介する記事では、これから暑くなる季節に特に注意したい「精巣の温度」と精子の質の関係について解説されていました。
長時間のデスクワークが“精子の質”に影響?
研究では、デスクワーク時間が長い男性ほど、精子DNA断片化率が高くなる傾向があることが報告されています。
興味深いのは、
- 精子数
- 運動率
- 一般的な精液検査結果
には大きな差がなかった一方で、“DNAの質”に差が出ていた点です。
つまり、
「精液検査は正常」
=
「妊娠しやすい精子」
とは限らない可能性があるということです。
なぜ精巣の温度が重要なのか?
男性の精巣は、体温より1〜2℃低い「32〜35℃」程度が適温とされています。
そのため、陰嚢(いんのう)は身体の外側にあり、熱がこもらない構造になっています。
しかし、
- 長時間座りっぱなし
- サウナ
- ピッタリした下着
- ノートPCを膝の上で使用
- 肥満
- 夏場の高温環境
などによって精巣温度が上がると、精子形成に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。
サウナや下着も影響する?
記事では、さまざまな研究も紹介されていました。
ゆったりした下着の男性は精子濃度が高い
ハーバード大学の研究では、トランクスなどゆったりした下着を履く男性の方が、精子濃度が高かったと報告されています。
サウナで精子濃度・運動率が低下
週2回の高温サウナを3か月継続した男性では、
- 精子濃度低下
- 運動率低下
が確認されたとのこと。
ノートPCを膝上で使うだけでも温度上昇
膝の上でノートPCを使用すると、わずか11分程度で精巣温度が上昇したという研究も紹介されています。
精子は“今日の生活”の影響を2〜3か月後に受ける
精子は約74日かけて作られると言われています。
つまり、
- 睡眠
- 食事
- ストレス
- 運動
- 温熱環境
など、現在の生活習慣の影響が数か月後の精子の状態に反映されます。
「採卵前だけ頑張る」
「移植前だけ気をつける」
ではなく、日頃からの積み重ねが大切なのです。
東洋医学・鍼灸治療でできること
東洋医学では、不妊症を単に“生殖器の問題”だけで考えません。
- 自律神経の乱れ
- 血流低下
- 冷え
- 睡眠の質
- ストレス
- 胃腸機能
- ホルモンバランス
など、身体全体の状態を整えることで、妊娠しやすい環境づくりを目指します。
特に男性不妊では、
- 骨盤内・陰部周囲の血流改善
- 自律神経の安定
- 睡眠の質向上
- ストレス軽減
- 冷えや熱のアンバランス改善
などを目的として鍼灸治療を行うことで、身体が本来持つ機能を引き出していきます。
また、不妊治療は女性だけが頑張るものではありません。
近年は「男性側の精子の質」が妊娠率や流産率に大きく関わることが分かってきています。
これから暑くなる季節。
まずは、
- 長時間座りっぱなしを避ける
- 適度に立ち上がる
- 熱をため込みすぎない
- 睡眠を整える
など、できることから始めてみるのも大切かもしれません。
【参考記事】
「妊娠しやすいカラダづくり VOL.1194 精液検査では見えない落とし穴 ─ これからの季節、精巣の温度管理が精子の質を左右する」