見た目だけでは判断できない精子の質とは? 男性は精子の質を理解できていない
WHOによると、不妊の原因の約半数は男性側に原因があります。
詳細は下図になります。
このことを理解しないで女性だけ治療を受けているカップルが大変多いです。
不妊治療はふたりが一緒に検査や治療に取り組むことが大事です。
しかし精液検査に問題がなかったら、「お役御免」になってしまう男性が大半と思います。
採精してもその精子に問題があったら結果がでませんし、再度採精しても同じことを繰り返すだけです。
卵子もそうですが、良質な精子にするためには三ヶ月近くかかります。
もし採精しても男性陣は「お役目御免」でなく妊娠という結果がでるまで精子の質をよくする必要があります。
凍結卵が全滅してから再度採精するのはナンセンスです。
精液検査の意味を理解している方は少ない 見た目だけで判断できない
みなさんが行っている精液検査は見た目だけの評価です。
簡単に例えると
一昔前は「3高と結婚したほうが良い」とされていました。
3高とは、高学歴、高身長、高収入です。
しかし結婚してから、DV、マザコン、借金などわかったらどうしますか?
精子も同様で、見た目だけでは判断できません。
そのことを理解していない方が多く、病院でも説明してくれません。
※男性不妊外来でしたら詳しい検査、話は聞けます。女性側のARTの先生は男性不妊のことに関しては専門家ではありません。
精子に詳し先生は、男性不妊専門医、泌尿器科医そして女性不妊治療の先生方。
女性不妊治療の先生方でも精子に関して一昔前の知識の方が多いです。
精液検査だけでは、男性の妊孕性を正確に知るには限界があります。
なぜなら精液検査でわかるのは、見た目だけの精液量や精子の「数」「運動率」「形態」であり、精子の「質」までは十分にはわかりません。
精子の質とは? DNAレベルが大事 精子DFI
精子の質とは、本来ならDNAを考えた方がいいです。
精子のDNAが損傷している割合を精子DNA断片化指数(DFI)と呼び、パーセンテージであらわされます。
精液検査で問題なくても質が低下した精子が多く、具体的には精子DFIが30%を超えると、治療成績にマイナスの影響が及ぼされることが知られています。
そして、そのようなケースが精液検査で正常と診断された男性の約3割に見られるとの研究報告もあります。
受精後の胚発育や妊娠の成立、継続には、当然ながら、卵子の質だけでなく、精子の質も深く関与しています。
卵子には受精後に精子のDNAの損傷を修復する働きが備わっていますが、それも女性の年齢が高くなると、修復能力が低下します。
細胞分裂しない、着床しないのは精子にも原因があるのです。
不育症の男性パートナーを調べたエビデンスがあります。
不育症は女性側のみと思われがちですが、半数近く男性が原因での不育症があります。
結果が出ない方は、本当の【精子の質】を見直した方がよいでしょう。