
「不妊鍼灸に興味があるけれど、いつから始めればいいの?」
「採卵の3か月前から鍼灸を始めた方がいい?」
「胚移植の直前からでも間に合う?」
「妊娠判定が出た後も続けた方がいい?」
不妊鍼灸を検討している方から、このような質問をいただくことがあります。
結論からいうと、妊活のどの段階からでも鍼灸を取り入れることはできます。
ただ、当院では可能であれば、採卵や胚移植の直前だけではなく、少し時間に余裕を持って身体のコンディションを整えていくことをおすすめしています。
今回は、妊活開始・採卵前・胚移植前後・妊娠判定後という4つのタイミングに分けて、不妊鍼灸をいつから始めるとよいのかを解説します。
「採卵3か月前から鍼灸」はよく聞くけれど、本当?
不妊鍼灸について調べると、
「採卵の3か月前から鍼灸を始めましょう」
という情報を目にすることがあります。
これは、卵胞が成長していく過程にはある程度の期間が必要であることから、採卵直前だけではなく、その前から生活習慣や身体のコンディションを整えていこう、という考え方です。
実際、近年では鍼灸を行う「タイミング」や「施術回数」と体外受精(IVF)の成績との関係についても研究が進められています。
2024年に発表された38件のランダム化比較試験・5,991人を対象とした研究では、IVFの採卵周期において、卵巣刺激を行っている期間に鍼灸を取り入れたグループで良好な臨床妊娠率が報告されています。
さらに2026年の研究でも、胚移植当日だけに鍼灸を行う方法だけでなく、卵巣刺激期間など、ある程度継続して鍼灸を取り入れる方法が注目されています。
そのため当院でも、採卵予定が決まっている方には、
「採卵直前だけではなく、できれば余裕を持って身体づくりを始めましょう」
とお伝えしています。
必ず3か月前でなければならないわけではありません。
1〜2か月前でも、採卵周期に入ってからでも、その時点からできる身体づくりを始めていくことが大切です。
① 妊活を始めた時点から鍼灸を取り入れる
まだ不妊治療を始めていない方や、自然妊娠・タイミング法で妊娠を目指している方も鍼灸を始めることができます。
この時期は、
・月経周期
・排卵のタイミング
・基礎体温
・冷え
・睡眠
・胃腸の状態
・疲労
・ストレス
・生活習慣
などを確認しながら身体全体を整えていきます。
自然妊娠を目指す場合には、鍼灸だけではなく妊娠しやすいタイミングを知ることも大切です。
排卵検査薬や頸管粘液(おりもの)、必要に応じて病院での超音波検査なども活用しながら、妊娠の可能性が高い時期を上手に利用していきましょう。
② 採卵前から鍼灸を始める
体外受精(IVF)を行っている方の場合、当院が特に大切にしている時期の一つが採卵に向けた期間です。
採卵周期では、排卵誘発剤などを使用しながら複数の卵胞を育てていきます。
この期間に鍼灸を取り入れながら、
睡眠・食事・血流・疲労・ストレスなど身体全体のコンディションを整えていく
という考え方です。
2026年には、IVFを受ける女性を対象とした鍼灸研究をまとめた新しい報告も発表されており、鍼灸と良好胚率、受精率、採卵数などとの関連が検討されています。
不妊鍼灸の研究は現在も世界各国で続けられています。
採卵まで3か月ある場合
とても良いスタート時期です。
鍼灸だけではなく、
・睡眠を整える
・食生活を見直す
・適度に身体を動かす
・疲労をためない
・ストレスを上手に発散する
・夫婦で生活習慣を見直す
なども一緒に始めていきましょう。
採卵まで1か月しかない場合
もちろん、その時点から始めることができます。
「3か月前から始められなかったから遅い」と考える必要はありません。
今日からできることを始めることが大切です。
③ 胚移植前から鍼灸を始める
すでに凍結胚があり、次の胚移植に向けて準備をしている方も多く来院されています。
この場合は、採卵を目的とした身体づくりとは少し考え方が変わります。
胚移植に向けて、
・身体の緊張を整える
・睡眠を整える
・身体全体の血流を意識する
・疲労をためない
・リラックスできる状態をつくる
といったことを大切にしていきます。
近年の研究でも、凍結融解胚移植(FET)の前に行う鍼灸について検討されており、妊娠成績との関連が報告されています。
胚移植の予定日が分かっている場合には、その日から逆算して施術スケジュールを考えていきます。
④ 胚移植当日の鍼灸は?
「移植当日に鍼灸をした方がいいですか?」
という質問もよくいただきます。
胚移植と鍼灸については世界中で多くの研究が行われており、胚移植前後に鍼灸を行った研究も多数あります。
ただ当院では、移植当日の1回だけを特別な施術と考えるのではなく、移植に向けて身体全体を整えていく過程を大切にしています。
移植当日はできるだけゆったりと過ごし、身体と気持ちの負担を少なくしてあげることも大切です。
病院の移植時間などに合わせて無理のない施術計画を立てていきます。
⑤ 胚移植後も鍼灸を続ける?
胚移植が終わると、次は妊娠判定までの期間に入ります。
この時期は、
「着床してくれたかな」
「少しお腹が痛いけれど大丈夫かな」
「何かした方がいいのかな」
と、普段以上に身体の変化が気になる時期でもあります。
当院では移植後は、身体をゆったりと整えることを中心とした施術を行います。
身体の緊張を和らげたり、睡眠を整えたり、日々をできるだけ穏やかに過ごせるようサポートしていきます。
⑥ 妊娠判定後も鍼灸は続けられる?
妊娠判定が出た後も、その時期に合わせた鍼灸を行うことができます。
妊娠初期は身体が大きく変化していく時期です。
眠気、疲労感、胃の不快感など、それまでとは違った身体の変化を感じる方もいらっしゃいます。
妊娠後は妊活中と同じ施術を続けるのではなく、妊娠週数やその日の体調を確認しながら刺激量や施術内容を調整していきます。
そして安定した妊娠経過を確認しながら、少しずつ施術卒業へ向かっていきます。
不妊鍼灸は「いつ始めるか」だけでなく「どう続けるか」
不妊鍼灸というと、
「採卵前にこのツボ」
「移植前にこのツボ」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし当院では、妊娠に良いとされるツボだけを施術するのではありません。
同じ採卵前でも、
よく眠れている方と眠れていない方。
冷えが気になる方と気にならない方。
胃腸が元気な方と疲れている方。
仕事のストレスが強い方とそうでない方。
身体の状態は一人ひとり違います。
そのため、
睡眠・冷え・胃腸・月経・疲労・ストレス・生活習慣
などを確認しながら、その方の身体に合わせて施術を組み立てていきます。
妊活は夫婦二人で取り組むもの
採卵前の身体づくりというと、どうしても女性側だけに注目しがちです。
しかし、受精には卵子と精子の両方が必要です。
採卵に向けて女性が身体を整えるのであれば、同じ時期に男性側も、
・睡眠
・食生活
・運動
・飲酒
・喫煙
・長時間の高温環境
・疲労やストレス
などを見直してみる良い機会になります。
当院では女性だけに負担を集中させるのではなく、ご夫婦二人で妊娠に向けた身体づくりをしていくことを大切にしています。
結局、不妊鍼灸はいつから始めればいい?
分かりやすくまとめると、
自然妊娠・タイミング法
→ 妊活を始めた時点から
これから採卵予定
→ できれば余裕を持ってスタート。3か月程度前から始められる場合は、生活習慣も含めて身体づくりを
すでに採卵周期に入っている
→ 今からスタート
凍結胚があり移植予定
→ 移植日から逆算して身体を整える
胚移植後
→ リラックスや体調管理を中心にサポート
妊娠判定後
→ 妊娠週数・体調に合わせた施術へ
という考え方になります。
大切なのは、
「もっと早く始めればよかった」と考えることではなく、始めようと思った時がスタートのタイミング
ということです。
今の治療状況に合わせて、できることから始めていきましょう。
上尾ゆうしん鍼灸院の子宝(不妊)鍼灸
上尾ゆうしん鍼灸院では、自然妊娠・タイミング法・人工授精(AIH)・体外受精(IVF)・採卵・胚移植など、それぞれの治療段階に合わせた鍼灸施術を行っています。
初回には、
「次の採卵はいつですか?」
「胚移植の予定はいつですか?」
「現在どのような治療をしていますか?」
など、病院での治療状況についても確認します。
そのうえで、身体の状態や治療スケジュールに合わせて施術を行っていきます。
不妊治療と鍼灸を上手に組み合わせながら、
一日でも早い妊娠と施術卒業を目指して。
「採卵まであと1か月だけど大丈夫?」
「移植前から始めてもいい?」
といったご相談もお気軽にお問い合わせください。