
「手足がいつも冷たい」
「お腹や腰が冷えやすい」
「夏でも冷房がつらい」
妊活中の患者様からも、このような冷えのお悩みをよく伺います。
昔から、「冷えは万病のもと」といわれてきました。
ただし、これは「冷えがすべての病気の直接的な原因になる」という意味ではありません。冷えを感じる背景には、血流、筋肉量、自律神経、生活習慣など、さまざまな要因が関係しているため、身体全体の状態を見直すきっかけになるという考え方です。冷えは、貧血や甲状腺疾患などが関係する場合もあります。
冷えは身体からのサインの一つ
冷えは、単に「寒く感じる」だけではありません。
冷えが気になる方からは、次のような不調を同時に伺うことがあります。
- 肩こりや腰痛
- 疲れやすさ
- 寝つきの悪さ
- 胃腸の不調
- むくみ
- 生理痛や生理前の不調
もちろん、これらの症状がすべて冷えによって起こるわけではありません。
しかし、冷えとともに複数の不調がみられる場合は、一つの症状だけでなく、睡眠や食事、運動量、ストレスなども含めて身体全体を確認することが大切です。
冷えが和らぐと感じられる身体の変化
当院で施術を受けている患者様からは、冷えの感じ方が和らぐにつれて、次のようなお話をいただくことがあります。
- 手足が以前ほど冷たくない
- お腹や腰が温かく感じられる
- 朝の身体のこわばりが軽くなった
- 肩や腰が楽になった
- 夜に眠りやすくなった
- 生理前や生理中の不調が軽くなった
変化の現れ方や時期には個人差があります。
また、鍼灸だけですべての症状が変化するわけではありませんが、冷えを含めた体調を定期的に確認することで、ご自身でも小さな変化に気付きやすくなります。
妊活中に冷えを確認する理由
妊活では、卵巣や子宮だけに注目しがちです。
しかし当院では、
- 睡眠
- 食欲
- 便通
- 月経周期
- 生理前・生理中の症状
- 経血の状態
- 手足・腰・お腹の冷え
なども初診時に確認しています。
冷えだけで妊娠のしやすさを判断することはできません。
一方で、冷えとともに睡眠不足や胃腸の不調、強い生理痛などがある場合は、身体全体の状態を見直すための一つの手がかりになります。強い月経痛や月経の異常には婦人科疾患が隠れている可能性もあるため、我慢せず医療機関へ相談することも大切です。
「冷えは万病のもと」を東洋医学ではどう考える?
東洋医学では、冷えによって身体の巡りが滞り、さまざまな不調につながりやすい状態を重視します。
そのため、手足だけを温めるのではなく、
- どこが冷えているのか
- のぼせを伴っていないか
- 胃腸の状態はどうか
- 睡眠や疲労はどうか
- 月経の状態はどうか
などを確認し、その方の状態に合わせて施術を組み立てます。
当院でも、冷えという一つの症状だけを見るのではなく、脈診・腹診・舌診なども参考にしながら、全身の状態を確認しています。
日常生活でできる冷え対策
冷えが気になる方は、次のような生活習慣も見直してみましょう。
- シャワーだけで済ませず、湯船につかる
- 軽い運動やストレッチを続ける
- 食事を抜かない
- 冷たい飲み物の取り過ぎに気を付ける
- 睡眠時間を確保する
- 首、手首、足首を冷やし過ぎない
筋肉量の低下やストレス、生活習慣による自律神経の乱れなども、冷えの背景として挙げられます。
冷えだけでなく、身体全体の変化を見る
冷えが和らぐことは、それだけで妊娠を保証するものではありません。
しかし、
「以前より眠れるようになった」
「生理前が少し楽になった」
「疲れにくくなった」
といった変化は、ご自身の体調を知る大切なサインになります。
