不妊治療に対しての鍼灸の効果とは?
「鍼灸治療単独で妊娠できる」というよりも、「西洋医学的な不妊治療(体外受精・人工授精など)の補助療法として有効性が期待されている」と考えられています。
補助療法としての一番の目的は「妊娠しやすいカラダをつくる」こと。
下記は鍼灸が不妊に効果をもたらすとされるメカニズムです。
① 血流改善
これにより、卵子の質の改善や着床環境の最適化が期待されます。
鍼や灸の刺激で骨盤内(子宮や卵巣)への血流が促され、卵巣機能や子宮内膜の環境を整える可能性があります。
② 自律神経の調整
鍼灸は副交感神経を優位にし、リラックス効果でホルモン分泌の安定に寄与します。
ストレスはホルモンバランスを乱し、排卵や着床に悪影響を与えます。
③ ホルモン分泌への作用
下垂体・卵巣系ホルモン(FSH, LH, エストロゲン, プロゲステロン)のバランス改善が示唆されています。
④ 体質改善(冷え・生理不順)
体の冷えや血流不足を改善することで、妊娠しやすい体質作りを助けます。
鍼灸治療の臨床データ
- 2002年 Paulusらの研究(ドイツ)
IVF(体外受精)移植直前と直後に鍼治療を行ったグループは、鍼を行わなかったグループに比べ妊娠率が 42.5% vs 26.3% と有意に高かった。
日々国内外では鍼灸治療と不妊症の臨床研究が多く行われています。
今後も多くの有益なデータが発表され、不妊症の方に手助けになるはずです。