
妊活中の患者さんから
「子宮内フローラって、本当に妊娠に関係するんですか?」
という相談が増えています。
結論から言うと ——
✅ 子宮内フローラは「妊娠率・着床率」に深く関係します。
🌸 子宮内フローラとは?
腸内フローラ、膣内フローラと同じように
子宮内にも細菌のバランスが存在すると分かっています。
その中でも特に重要なのが
✅ 乳酸菌(Lactobacillus:ラクトバチルス)
ラクトバチルスは
- 子宮内の pHバランス を整える
- 炎症を抑える
- 受精卵が着床しやすい環境 を作る
という、妊娠に直接関わる役割をしています。
🧬 エビデンス(研究根拠)
① ラクトバチルスが多い子宮は 妊娠率・着床率が高い
Moreno et al., American Journal of Obstetrics & Gynecology, 2016
ラクトバチルス優位の子宮内フローラを持つ女性は、
着床率・妊娠率・出産率がすべて有意に高かった と報告。
② フローラの乱れ(ディスバイオーシス)は 慢性子宮内膜炎 を引き起こしやすい
Cicinelli et al., Reproductive BioMedicine Online, 2018
慢性炎症は、
- 着床不全
- 流産反復
のリスクと関連。
③ 体外受精(IVF)でもフローラが重要
Koedooder et al., Human Reproduction, 2019
子宮内フローラ検査で
ラクトバチルスが少ない女性は、IVF成功率が低下 することが確認。
🔍 実際に検査は必要?
✅ 以下に当てはまる方は 検査をおすすめ
- 何度も移植しても 着床しない
- 流産が続く
- 子宮内膜が 厚くなりにくい
- 生理痛や不正出血が強い
- 内膜症・子宮筋腫の既往がある
❗️逆に、検査が必須ではないケース
- 妊娠が問題なく成立している場合
- 自然周期で排卵が順調
- 生理痛・炎症の症状が小さい場合
検査は 「必要な人だけ」が良い というのが最新の考えです。
🌿 東洋医学・鍼灸でできること
子宮内フローラは 血流と自律神経 に強く影響されます。
| 鍼灸の作用 | 子宮内環境への影響 |
|---|---|
| 骨盤内血流の改善 | 乳酸菌が生きやすい環境を作る |
| 自律神経の調整 | 子宮内膜の代謝アップ |
| 内臓筋バランスの調整 | 子宮・卵巣が「動ける」状態に |
| 腸の機能改善 | 腸から子宮への炎症性物質を減らす |
→ 「細菌バランスを育てる土壌づくり」をするのが鍼灸の強み。
🍽 食事でできる内膜フローラケア
| 食事のポイント | 具体例 |
|---|---|
| 発酵食品 | 納豆・味噌・ヨーグルト |
| 食物繊維 | 玄米・海藻・オートミール |
| 抗炎症食品 | 生姜・青魚・オリーブオイル |
| 避けると良いもの | 過剰な砂糖・小麦・揚げ物・乳製品多量 |
→ 腸の炎症 = 子宮内炎症に波及 するため、腸ケアが直結します。
まとめ
| 内容 | 結論 |
|---|---|
| 子宮内フローラは妊娠に関係する? | ✅ 直接影響する |
| 重要な細菌は? | ✅ ラクトバチルス(乳酸菌) |
| 誰が検査すべき? | ✅ 着床不全・流産反復の方 |
| 改善できる? | ✅ 生活習慣・食事・鍼灸で改善可能 |